文字通り、「生活が不活発になった」ことが原因となり、体や頭のあらゆる働きが低下する病気です。
生活不活発病は、いったん起こると悪循環が重なり、どんどん進行していきます。

● 生活不活発病の原因
生活が不活発になるきっかけは人によって様々ですが、主に以下のようなものがあります。
@社会参加の低下
例:定年退職後、自然災害の影響、本人の遠慮など
A生活動作自体のやりにくさ
例:病気、環境の変化(自然災害後の避難所生活)など
B生活動作の量的制限
例:病気の直後、介護者の過干渉、感染対策など
● 生活不活発病の症状
生活不活発病で最初に出現する症状は、「座っているだけでしんどい」とか、「立ち上がりにくい」など、日常生活で何気なく行っている動作の不自由さ・しにくさです。
生活動作は様々な心身機能が関連し合って成り立っていますから、この動作のしにくさから、全身のあらゆる機能の低下を引き起こしていきます。
【全身への影響】
心肺機能低下、起立性低血圧、消化機能低下、食欲不振、便秘、尿量の変化、脱水など
【体の一部に起こる変化】
関節拘縮、廃用性筋委縮、筋力低下、廃用性骨萎縮、皮膚委縮、褥瘡、静脈血栓症など
【精神や神経の働きに起こる変化】
うつ状態、知的活動低下、周囲への無関心、自律神経不安定など
● 予防のコツ
@座っていてもできる体操などを取り入れ、体を動かす機会を確保する
A日常生活の中で、「誰かのためにできること」を取り入れる
(例:孫のために、子供のために…など)
B継続した運動ができるよう、具体的な目標を立てる
(例:旅行、買い物、温泉、カラオケなど)
C実践していく中で、自分で変化を確認できるように数値化する
(運動の時間、距離など)
ケアプランに取り入れてもらうのも有効です!
主体的に取り組める工夫で、生活不活発病を予防していきたいですね。